煙は拡散しないで流れる |
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碧い蜻蛉
北九州市のがれき焼却問題ではおそらく煙はすぐに広がって薄まるから健康被害はないと言われているだろう。しかし、下の写真に示されているように台風時などの強風が吹いている時でなければ煙は帯状にうねりながらどこまでも流れていく。この流れにさらされた時に健康被害をもたらす。放射性粒子の気道粘膜への付着、建材、プラスチック類の焼却で発生する化学反応性の高いVOCによる過敏反応(アナフィラキシーショックも含む)、ダイオキシン類などの複合汚染による健康被害は前代未聞のものになる可能性がある。モニタリングポストの応答が遅いと言うことは、この煙の流れを検知できないことである。
これから冬になるが、晴れた風のない晩には地表近くの空気が放射冷却で冷やされて、上空より気温が低くなる逆転層※が形成される。焼却場から出た煙が逆転層の下を這って帯状に山手の住宅を襲っていくことが確実である。
※:石油ストーブを焚いている部屋でタバコを吸うと、煙が天井まで上っていかずに顔のあたりで漂うことをご存じだろう。天井付近が暖められて下の冷たい空気と混ざらないために境目が生じて煙が上がっていかない。これと同じ事が街全体で起きる。
(北九州4)