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碧い蜻蛉

  フクシマ・ジェノサイドと呼ばれる全訳)
後世に
公害とは、公の共有物たる天地・海川に毒をまき散らし、万物の命を奪う天下の大罪

やはり舞洲工場近くは高い

大阪がれき事前調査 大阪がれきホットプルーム大阪がれきPM2.5へっ!逆転層だって?大阪の空を舞う放射能工場近くは高い

大阪市此花区の舞洲工場でで放射能がれきの焼却を始めて以来、体調不良の報告が増え続けている。(大阪おかんの会ブログ)放射能を持った汚染物を焼却するという前代未聞な無謀な行為によって、放射性微粒子が放出されて大阪の空を舞っていることをすでに報告した。焼却場から東北東に約30kmの位置にある高槻市の測定でも時折非常に高い空間線量率が計測されることがある。下図は3月26日のガンマ線空間線量率の計測を行っていた時に現れた高線量のピークである。また、空間放射能の核種分析を行うと、検出されたり、されなかったりするが、放射性セシウムのピークが出現する(大阪の空を舞う放射能)。

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溶融した原子炉からは沸騰する温度(沸点)が4000℃を越える放射性金属が放出され各地で検出されている。沸点671℃のセシウムは水が蒸発して分子一つ一つになってしまうように、蒸発して原子一つ一つに分かれて空気中に飛び出しているはずである。空気中の酸素とぶつかって酸化セシウムの分子となり、あるいは水蒸気と反応して水酸化セシウムの分子となって浮遊する。セシウムの原子直径は0.53ナノメートル、つまり2000分の1μメートルである。PM2.5の粒子の直径と比べると5000分の1の小ささである。酸素と化合した酸化セシウムでもせいぜい2ナノメートルほどの大きさしかない。空気中を漂う間にいくつか分子がひっつきあって集まり、もう少し大きな粒子になっているかもしれないが、がれきに沈着したセシウムの粒子は非常に小さなものであることが推定できる。やっと0.2μメートルの大きさの粒子を捕集できるバグフィルターの隙間は、セシウム分子が500個並んでも通り抜けられるほど巨大な大きさなのである。

大阪市環境科学研究所が試験管スケールの実験を行ってバグフィルターでセシウムを捕集できるというデモを行ったが、磨砕して粉末にしてある試薬の粒子は溶液からつくり出した結晶構造を持つ大きな粒子でできている。小麦粉と同じくらいの細かさの粒子でも74μメートルもある。蒸発した原子状のセシウムから生成する微細粒子の何万倍もの大きな粒子で実験を行っていることになる。これであれば、バグフィルターで充分捕集できる。

原子炉の爆発事故で放出された放射性セシウムなどの微粒子はN100マスクでも充分捕集されずに呼吸器に侵入している恐れもあるほど、ウイルスなどよりも小さいものであることを改めて認識する必要がある。

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↑セシウム原子500個を並べた大きさ 0.25μm

粒子の相対的な大きさの比較

↑セシウム原子 0.0005μm

バグフィルターでは捕集できずに煙突の排ガスに混入して放射性セシウムが流れ出している。激しい風が吹いていればかき混ぜられて急速に薄められるのであるが、大阪ではほとんど微風や弱い風が大半である。煙突から出た煙はしばらく上昇するがすぐに冷やされて地上近くを這うように流れる。風にひらめく帯のように蛇行しながら少しづつ広がって濃度を薄くしていく。放射能を含んだ煙(気団)にさらされた時、空間線量が上昇したり、放射性核種を検出したりする。

空間放射能の核種分析が可能なガンマ線シンチレーションサーベイメーターiFKR254を用いて、継続的な観測を焼却場のある大阪市此花区の此花公園(焼却場からの距離約3km)と高槻市(約30km)で定点観測を行った。

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両計測とも風向、風速、PM2.5 のデータは大阪府の監視データから引用した。

また、本機種では解像度が低く、Cs134 605keVと Cs137 662keVの分離が十分でないため、計測時間内に検出されたCs134,Cs137のカウント数の合計を比較検討の対象とする。

高槻市の空間線量率の平均は0.051μSv/h、此花公園は0.067μSv/hであった。

空間線量率の高低とセシウム検出の有無は相関性が見られず、焼却場から放出されている放射性セシウムは空間線量に影響を与えていない。つまり、空間線量率の変化だけを錦の御旗にしてがれき焼却は放射能を出さないというのは間違いである。言い換えると、空間線量率の変化が無くても焼却で放射性セシウムが放出されているので、健康被害を起こす要因となっている。微量の放射能でも粘膜などに付着すると放射線を出し、周辺の細胞をラジカル化させ、過酸化物の生成を通してサイトカインなどの炎症物質の産生により血小板の減少による出血、血栓、下痢などの症状を起こす可能性がある。

がれき焼却による放射能の放出は明確であり、市民による健康被害の訴えには合理性がある。

次に、焼却場に近い此花公園では高槻市での計測に比べて高い値を検出している。煙突から出される放射能の帯は発生源に近いほど細く、遠方に行くほど少しづつ広がっていく。根本に近いほど濃度が高くでることを予測して計測に入ったが予測通りであった。計測器にガンマ線が届く半径200mくらいの範囲に煙の帯がかかり、計測器にカウントできるほどセシウムの放射線が出された時に検出という結果になる。風の流れによって検出、不検出と値がばらつくのであるが、「大阪の空を舞う放射能」のところでも書いたように焼却場から風がながれる時に検出される傾向は明らかであるが、横方向からの風の時にも検出されることがあり、煙が回り込んで計測場所に吹き込んでいる場合もあることがわかる。

さらに、もう一点言っておかなければならないのは、空間の核種分析で放射能が検出されたからと言って、土壌分析で核種が検出できるかどうかは疑問であることだ。放射能が来た時に雨や雪が降っていれば地面に積もるが、そうでなければ気団として到達して被曝させながら通り過ぎて行く。事前調査も含めて感度の高い検出限界の低い精密な分析が必要になる。検出限界の高い分析を行って、アリバイとして行う調査では結果は目に見えているではないか。