双葉郡では現在も30μSv/hの高線量率を示す場所がある。セシウム137で換算すると900万ベクレル/平方メートルの高濃度汚染地域である。その5倍以上の放射能が降ったと考えれば、皮膚への外部被曝、体内への浸透するガンマ線による外部被曝(150μSv/h以上のガンマ線)、空気中に浮遊するヨウ素、セシウム、テルル、プルトニウム、ウランなどアルファ、ベータ、ガンマ線核種の吸入による呼吸器系の被曝など甚大な影響が考えられる。 エビデンス、エビデンス(証拠)ということを振りかざす馬鹿どもがいるが、科学のイロハもわかっていない連中だ。放射能が人体に重大な影響を起こすということはすでに科学の世界では教科書になっている。さまざまな規制基準は政治的な妥協の元ではあるがエビデンスに基づいて決められてきたのだ。原発事故で高濃度の放射能が放出されるのは常識であるのにエビデンスとなるべき初期の線量や核種濃度を迅速に把握するという基本中の基本もサボったり、意図的に調査の妨害を行ったりして、実態把握を行わなかった。 原子炉からは半減期の短い、それだけに放射能の強いたくさんの核種が放出されるので、緊急に調査を行う必要があった。知識と技術を持ち、国民の血と汗から搾り取られた税金で飯を食い、(趣味・道楽に近いと思うが)研究をさせてもらっているものたちの活躍する場面だったのだ。文部科学省の足止めにあったものもいただろう。原子力村からのおやつをたっぷりもらって他のものたちの足を引っ張ったものもいただろう。 汚染が容易ならない事態だと言うことは、権力の中枢にいたものたちは十分承知していたのだ。石原の息子がSPEEDIの情報をみたということをちらともらしていたということだ。また、政府御用達の機関である東京大学は一切の会議や講義を中止し、学生や教官たちに外出による被曝を避けさせたということだ。滞日中の海外のジャーナリストたちもいち早く東京の汚染をつかんでいた。これは米軍筋からもたらされた情報によるものだろう。 エビデンス、エビデンスと言いながら、被害者たちを奈落の底におとしめる学者たちは、初期被曝のエビデンスになる放射能濃度を測りに出たか?ヨウ素が消えて無くなる前に福島の子どもたちの放射性ヨウ素の被曝量を測りに出たか? 科学的と言うことを振りかざしているが、科学の方法というのは「帰納・仮説・演繹・実験・検証」という認識の一体系だ。非常に厳密な条件の中でしか意味をなさない。(余談になるが、この方法で幽霊の存在も証明できる) 科学を振りかざすものたちは、仮説の前提になるべき幾多の事象を見ることなく、「放射能に害はない」という仮説を先に立て、そこからものごとを進めようとしている。現象をつぶさに観察することなく、原子力村の存続ありきという政治的立場に立っている。まったく、科学のイロハも心得ていないように見える。 |
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碧い蜻蛉
福島には 累計で5000万Bq/m2の放射能が降った
忘れてはならない。このほかに、ウラン、プルトニウム,ストロンチウムが放出されている。東京・赤坂でも高濃度の放射能気団が米国エネルギー省の手によって明らかにされている。当然、これらのアルファ線核種、β線核種で大規模な汚染が起きているはずであるのだが、実態が明らかにされてこない。しかし、粒径2.5μm以下の微粒子は、呼吸する時に気管を通り抜けて気管支や肺まで達するため肺ガンなどを引き起こすことがわかっている。環境中に残留するガンマ線線量計で検出されない放射能こそが最も厳しい敵となってくるのだ。
簡易線量計でがれきの放射能を計っても、最も恐ろしい敵はすり抜けてしまうからこそ、震災がれきは移動してはいけないのだ。