赤坂被曝1(H30年2月14日改訂)
米国エネルギー省が実施した大気中の放射性物質をフィルターでろ過して行う汚染調査では東京にも汚染された気団が流れ込んでいたことが明らかにされている。米国大使館で測定されたと思われる赤坂1丁目の調査データを抜きだしてまとめた。(単位はベクレル/1立方メートルに変換してある)
空気の濾過材として(paper)ペーパーフィルターと記載されているものはおそらくガラスろ紙で粒子径が0.15μm以上の粒子を捕捉するものでないかと思われる。気体状のヨウ素はほとんど捕捉されず、粒径の小さいと見られる酸化セシウムなどは捕集効率が低いだろう。(charcoal)活性炭ろ紙はヨウ素を吸着するのでペーパーフィルターの場合より値が高くなっている。しかし、セシウムは逆に捕捉されていないことがわかる。
3月15日から16日にかけてのデータが無く、汚染の第一次の波は検出できていないか、第二の波が3月23日には来ていることがわかる。。
3月23日にはウランやプルトニウムと思われるアルファ線を出す核種も1.57ベクレル/立方メートルという値が検出されている。
この放射能粒子の飛来で病院の室内空気が汚染し、付着したガンマ線粒子でレントゲンフィルムが感光して斑点がたくさん出た。富士フイルムは医療機関向け情報で注意を促していた(ttp://fujifilm.jp/information/articlead_0101.html)が、密閉したレントゲン室でも放射能粒子が入り込んでいたことは、多くの人たちが放射能粒子を吸入していた証拠でもある。
データ出典:http://explore.data.gov/Geography-and-Environment/US-DOE-NNSA-Response-to-2011-Fukushima-Incident-Fi/kxp6-xc7d(リンク切れ)
赤坂のデータを再構成して、時系列の核種の濃度を一覧できるようにした。(平成30年2月14日)
赤坂での計測データからは放射性セシウムやヨウ素などよりも高濃度のα線核種、β線核種の襲来が観測されている。これは最近の報告で明らかになっているように、福島原発の爆発で核燃料が微粒子となって降りそそいでいた事によるものであろう。これまでの報告ではこうしたα線粒子、β線粒子による呼気被曝の影響をまったく考慮されていない。
ヨウ素131のpaperフィルターと活性炭フィルターの平均値はそれぞれ0.34Bq/m3と0.78Bq/m3であり、紙フィルターでは気体状のヨウ素が捕捉されていないことがわかる。
同じ米国の調査データには各地の高汚染状況が記録されている。
http://aoitombo.s100.xrea.com/taiki5.html
なかでも、福島県いわき市好間町北好間字屋敷前で3月21日の午後1時過ぎに採取されたダストサンプルからはこの報告データにおける最高汚染値が見いだされている。
Cs134が20Bq/m3、Cs137が18.8Bq/m3に比し、ヨウ素131が2250Bq/m3あった。活性炭フィルターで捕集・計測していればヨウ素131は5000Bq/m3に達していたであろう。
これらの放射能を単純にベクレル加算をすると3万Bq/m3、ひと呼吸2リットルの空気を吸い込むと肺の中が50Bqの放射能で満たされることになる。これは多いか少ないか?
赤坂における濃度の推移を「赤坂被曝2」でもう少し見てみる。
碧い蜻蛉