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東京都立産業技術研究センター駒沢支所では事故直後の2011年3月13日から9月末までエアサンプラーを稼働させて空気中の放射性物質の計測を行っていた。

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  • 東京電力福島第一原子力発電所事故に係る大気浮遊塵中放射性物質調査報告書 
  • 平成23年12月
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報告書のPDFデータから一部の期間をエクセルに移してグラフ化、米国の行った調査と重ね合わせて検討した。グラフ化には3月13日から4月3日までの期間を用いた。

 

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米国の調査ではつかまえられていなかった第一波の襲来が捉えられている。γ線核種だけだが、第一波は第二波の200倍近くの高濃度の汚染であったことがわかる。表には計測時間ごとの吸入摂取量も求められていて期間中の実効線量も求められる。

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3月14日から4月3日までの各核種の吸入摂取量、線量係数から実効線量を計算すると24μSvとなる。米国の調査と比較して検討するために、第一波と第二波を3月17日を区切りとして考え、前後の実効線量を求めるとそれぞれ14.8μSvおよび9.2μSvとなった。γ線核種のみの線量になるが、第一波は第二波の1.6倍の被曝線量になる。

米国の調査を都産技研センターの調査と比較するために同じスパンのグラフを作成する。

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計測データが多くあった赤坂一丁目と六本木二丁目のデータ、いずれも第一波の放射能雲の襲来には間に合わず、3月21日〜23日の第二波をとらえている。エアサンプラーによる大気粉塵のサンプリングも同じ機器をあちこちに持って行って計測していたようでデータ採取時間が飛び飛びになっている。そのため、産業技術研究センターのデータのように核サンプリングごとの吸入摂取量の累計値を求める事ができない。そのため、それぞれの核種について期間中(3/18〜4/3)の平均濃度を求め、所要時間と呼吸量から全期間の吸入摂取量を出し、線量係数をかけて実効線量を求めた。

α線核種、β線核種の累積吸入摂取量は344Bq/成人、634,086Bq/成人と大きいものだが、核種も濃度も不明であるのでひとまず除外して実効線量を求めると約17μSvであった。   これは産技研の実効線量(9,18μSv)とオーダー的には同じレベルと考えることができる。

しかし、グロスαやグロスβの値が大きいことからこれらの寄与も推定しなければならない。赤坂被曝Ⅱにα線核種、β線核種の線量係数も示したが、熔融核燃料が微粒子となって飛散してきたのだから、α線核種の主たるものはウラン238だとみなして線量係数を用いた。また、β線核種については表の中のβ線核種の中央値を線量係数とした。セシウムなどもβ線を出すが、それらの摂取量よりも3桁も多い摂取量であり、誤差範囲として無視した。

α線、β線を考慮すると同じ期間での実効線量は3.7mSvとなった。

原発労働者で白血病になった最低レベルが5mSvだったということだから低い数字ではない。

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さらに、第一波では計測されていないがα線核種、β線核種も含まれていたと考えられる。産技研の第一波、第二波の線量比から推定すると、六本木の第一波によるグロスα、グロスβこみの実効線量は6.0mSvと推定できる。全期間を屋外で過ごしていたとすると3/13〜4/3の期間で約10mSvの吸入被曝があったことになる。

重大なβ線被曝を隠すために、β線の検出が可能なガイガー管では計測が不正確だという宣伝がなされたのも道理がある。

碧い蜻蛉

  フクシマ・ジェノサイドと呼ばれる全訳)
後世に
公害とは、公の共有物たる天地・海川に毒をまき散らし、万物の命を奪う天下の大罪

東京都立産業技術研究センターデータから

(H30年3月7日改訂)