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柏/松戸の調査から 柏詳細報告

東葛地域はチェルノブイリ事故の強制避難区域レベルの汚染を起こしていることはすでに知られている。”後進国”ソ連は住民の被曝を避けるために強制避難という根本療法をとったのに、”先進国”日本は長期間住民を被曝させ、さらに、彼の国が効果ないと結論づけた「除染」という対症療法でことを済まそうとしている。

これまで3回柏市に出向いたが、公園や学校の土が除かれ、そうした場所では空間線量も下がり、個人の家庭でも土を取り除いてコンクリートバラスを敷き詰めたところがめだつようになっている。さらに、驚くことに新築ラッシュが始まっているようでもある。

徒歩で市内を回りながら地表の計測を行い、試料を採取しながらの3日間の調査であったが、異様な足のだるさを感じながらのものであった。帰宅後、風邪をひいて1週間寝込んでしまった。

除染された土地も含めた柏/松戸の土壌サンプルのセシウム濃度の平均は3万ベクレル/kg近くあった。子どもたちの土壌摂取量は1日数十mgあるとされるので、(リスクセンター四季報 http://www.nies.go.jp/risk/4seasons_new/vol3no3_4/04.htm )こどもたちが手や顔から口に取り込む土壌が50mg有ると仮定すると、放射性セシウム摂取量は1.5ベクレル/日・人になる。このほかに、ベータ線核種も存在している。

激しい運動やどろんこ遊びに夢中になればもっと大きな摂取量になる。決して安全とか言えないレベルにあるだろう。

使用機器

TERRA ECOTEST社 ガイガーミュラー管

KH-LND7317 (株)シーディークリエーション. パンケーキ型ガイガー管

iFKR254 (株)シンメトリックス CsIシンチレーションスペクトルサーベイメーター

iFKR-ZIP (株)シンメトリックス CsIシンチレーション式放射能測定器

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17−1 柏市末広町 コンクリートタイル舗装の歩道上

歩道上にポロエチレン袋を広げ、機器を置いて計測。7317は開口部を地面に向けた。 7317では0.26(4分後計測)、254は0.140μSv/h(1分ごと10回計測平均)であった。

ベータ線強度は5,220Bq/m2、早くもこれまでの計測の最高値。

オンサイトの核種判別はCs134の605keV、796keV、Cs137の662keVの合計カウント数を指標にしてきているので、6335カウント/1000秒で、これもこれまでの計測の最高値となった。

サンプリング試料は高槻・市民放射能測定所のiFKR-ZIPで計測。Cs合計で64,300Bq/kgと非常に高濃度であった。

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17−2 柏市立第一小学校裏口 門扉下土壌

門扉のすぐ下にポロエチレン袋を広げ計測。TERRAで0.65、7317では0.53、254は0.292μSv/hと17−1の2倍以上であった。

ベータ線強度は4,710Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、経験の無い2万3千カウント/1000秒となり、柏の汚染の激しさを実感させるものとなっていった。I*で示すのは、Pb214 などによるヨードの誤検出カウントであるが、Csカウント数と相関があり、天延由来の核種でなく、福島事故でもたらされた何らかの核種をヨード131と誤検出しているようである。

土壌試料は、線量率の高さからすると低く、Cs合計で23,500Bq/kgであった。

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図 Csカウント数とヨード誤検出カウント数の関係

比較的良い相関関係が見られ、セシウム汚染とヨードと誤検出する核種との間に関連性があることがわかる。

原点を通らないのは天然核種由来のPb214 などの上に、事故由来の汚染が被さっていることを示す。

(八重洲/柏/松戸調査の中から)

誤検出はCsガンマ線の

コンプトン散乱が原因か?

(2014年5月21日追記)

254機を遮蔽体に入れて、17-6のサンプルを10時間計測した。パソコン側のソフトでの検出でなく、本体でのFINDモードで核種を検出すると、I-131 を誤検出している。

Cs137(662)、Cs134 (605 )のガンマ線が起こすコンプトン散乱を誤カウントしているように思われる。

そのようにとらえると、Cs137のカウント数と比例関係が成立するのが納得できる。

あまりにもセシウムのガンマ線が高い地域だからシンチ機ではこのような事が起きるようだ。

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図 17-6試料を遮蔽体に入れた254機で10時間計測し、本体で核種判別を行った結果のディスプレイ画面。K40についてはサムピークを誤カウントしている。

17−3 末広町未舗装駐車場隅土壌

TERRAで0.31μSv/h以上の警告音が発せられる土壌であったので計測。7317では0.35、254は0.273μSv/h。

ベータ線強度は1,313Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、経験の無い2万1千カウント/1000秒。

土壌試料は、線量率の高さからすると低く、Cs合計で2,812Bq/kgであった。

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17−4 柏西口第一公園東南道路上に流出した土砂

公園内は土を削り取られ線量が下がっている。前回調査で指摘した植木の下まで土が掻き出されているので、公園内はパス。外側の道路上に流れ出た土砂を計測した。TERRAで0.75、7317では0.55、254は0.340μSv/h。

ベータ線強度は1,892Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、2万5千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で12,600Bq/kgであった。

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17−5 柏市明原3丁目18 路上に流出した森の土壌

「明原みどりの森」の森林内では1m高さでTERRAで0.23〜o.25μSvであった。路上に土砂が流出している場所を見つけて計測。TERRAで0.23、7317では0.25、254は0.154μSv/h。

ベータ線強度は919Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、8,900カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で4,130Bq/kgであった。すぐ横に畑があったが、ここもおなじレベルなのだろうか

17−6 柏市明原3丁目20と西町との堺の道路上土砂

     今回調査の最高汚染地

「明原みどりの森」から坂道を下がっていった突き当たり近くに堆積している土砂をみつけで計測。TERRAで1.5、7317では1.25、254は0.972μSv/hと非常に高い値を検出。

ベータ線強度は17,953Bq/m2とこれも非常に高い。

核種判別はCsの合計カウント数で、73.300カウント/1000秒。使い捨てのスプーンでおそるおそる小さなジップ袋にサンプリングしたが、コンタミを起こさないか非常に気をつかった。

持ち帰ったわずか5g弱の土壌試料は、Cs合計で179,000Bq/kgと恐ろしい数値を示した。

通常の土壌とは異なるので65倍して1平方メートルあたりの数値を出すのは適さないだろう。試料5g当たりでは、約900ベクレルである。表面土壌をかき寄せた面積はわずかに5平方センチメートルくらいであったから、1平方メートルあたりに換算すると180万ベクレルという立入禁止区域以上のレベルとなる。毎秒数百万本のガンマ線が飛び出し、2万本ものベータ線が打ち出されている。

足がへろへろになるのもあたりまえなのだろう。

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17−7 柏市豊四季台団地・近隣センター横歩道土壌

図書室横の団地内通路の裸地上で計測。団地棟から草地でつながっている。草地にTERRAを置くとすぐに警報音が鳴り響く。TERRAで0.44、7317で0.43、254は0.330μSv/h。

ベータ線強度は2,008Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、24,600カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で16,650Bq/kgであった。

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17−8 柏市豊四季台団地・遊具公園

17−7から50mほど離れた遊具公園。除線作業が行われて表土が入れ替えられてTERRAでも警報を鳴らさない。。TERRAで0.12、7317で0.10、254は0.041μSv/h。

ベータ線強度は69Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、958カウント/1000秒。

土壌試料は、採取していない。

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17−9 柏市豊四季台第二団地入り口道路路側の草地

第二団地を登ってゆくゆるい坂道の路側帯の草地で計測。TERRAで0.53、7317では0.38、254は0.408μSv/h。

ベータ線強度は888Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、3万3千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で14,100Bq/kgであった。

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17−10 柏市豊四季台第二団地 奥の駐車場横の草地

第二団地に向かう坂道を上がりきって駅の方へ向かい、崖のうえになる草地で計測。TERRAで0.80、7317では0.66、254は0.357μSv/h。

ベータ線強度は4,787q/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、2万9千カウント/1000秒。

土壌試料は採取しなかった。

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17−11 JR向原住宅近くの雨だれの落ちる土壌

道路沿いに雨だれの落ちる場所があったので計測。TERRAで0.52、7317では0.48、254は0.328μSv/h。

ベータ線強度は6,023q/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、2万4千カウント/1000秒。

土壌試料は、セシウム合計で17,900Bq/kgであった。

同様な条件の場所が連続していたので10箇所くらい移動してTERRAで計測したが0.77〜0.95μSv/hとサンプリングを行った場所より高かった。

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17−12 東葛高校隣の里道草地

水戸街道から斜めに東葛高校に沿って入る里道で、目の前に高校グランドがある場所で計測。TERRAで0.45、7317では0.33、254は0.241μSv/h。

ベータ線強度は1,815Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万8千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で9,280Bq/kgであった。

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17−13 そごう第一駐車場前街路樹枡土壌

水戸街道を横断、JRを通り抜けて反対側に向かい、そごう第一駐車場前の街路樹枡で計測。TERRAで1.03、7317では1.08、254は0.763μSv/hと高い。

ベータ線強度は7,065Bq/m2とこれも高い。

核種判別はCsの合計カウント数で、6万5千カウント/1000秒。ここではヨウ素131の誤検出カウントに加え、Co60を検出した。

土壌試料は、Cs合計で49,200Bq/kgであった。

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17−14 まちなか緑地市役所側登り口横土壌

柏市は起伏の大きな街で市役所の側にも小さな山があって公園になっている。除染が行われたという表示があり前後の数値が記入されているのだが、全く変わっていないところも多い。TERRAで0.24、7317では0.27、254は0.157μSv/hであった。

ベータ線強度は1,000Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万8千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で6,330Bq/kgであった。

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17−15 柏市都市開発公社前の道路に堆積した土壌

道路上に積もった土は高濃度になることが多い。爆発で非常に高濃度な粉塵が飛来してあちこちに積もっていたものが、畑や山などだと土壌に混ざって薄められるが、アスファルトなどの土壌の少ない場所に積もった粉塵は薄められることなく高濃度を保っている。それが雨などによってかき集められるからである。自動車のタイヤなどに付着した土砂に薄められるものの高い値を示すことが多い。ここではTERRAで0.81、7317では0.61、254は0.290μSv/hであった。

ベータ線強度は9,961Bq/m2とかなり高いものであった。

核種判別はCsの合計カウント数で、2万6千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で47,000Bq/kgであった。

柏の葉キャンパス駅周辺

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18−1 千葉大付近・柏の葉高校と東大キャンパス間の道路路側緑地

柏の葉キャンパス駅から千葉大を通り抜けて柏の葉公園に向かう。手提げ袋に入れたTERRAで線量率を見ながら歩いていたが、道路上は除染されたとみえて線量は上がらなかったが、千葉大の入口を入ったところで0.31μSv/hの警報音がなった。畑や果樹園などではそこまで上がらなかった。測定場所の通路部部分で路側帯の草地に入ると警報が鳴る。TERRAで0.40、7317はパス、254は0.260μSv/hであった。

ベータ線強度は測定していない。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万8千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で11,100Bq/kgであった。

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18−2 柏の葉公園交差点植え込みの下土壌

東大キャンパスと柏の葉高校との間を通り抜けて柏の葉公園側に向かう。道路沿いの植樹帯植え込みの下で計測。除染作業が行われて土が削り出されている。TERRAで0.26、7317は0.19、254は0.090μSv/hであった。

ベータ線強度は1,367Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、5,619カウント/1000秒。

土壌試料は、採取していない。

18−3 柏の葉公園ユリの木の下近くの土壌

除染作業が行われて土が削り出され、その上に新しい落ち葉が積もり積もっている。TERRAで0.23、7317は0.19、254は0.122μSv/hであった。

ベータ線強度は726Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、8,574カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で3,890Bq/kgであった。

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18−4 柏の葉公園入口広場体育館側ベンチ下土壌

ここも除染作業が行われて土が削り出されている。TERRAで0.24、7317は0.21、254は0.121μSv/hであった。

ベータ線強度は1,158Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、8,215カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で5,530Bq/kgであった。

18−5 柏の葉公園住宅 路上堆積土壌

柏の葉公園を抜け出て住宅地に向かう。住宅内の小公園で作業していた青年がここは2年前に除染したというので、それでも高い値が出ているから気をつけた方が良いよというと、もう手遅れですよと答えが返ってきた。電柱の陰に貯まった土壌を計測。

TERRAで0.78、7317では0.46、254は0.252μSv/hであった。

ベータ線強度は8,455Bq/m2と高い。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万9千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で70,900Bq/kgもあった。

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18−6 柏の葉公園住宅 歩行者用道路隅に堆積した土壌

歩行者用道路の隅に貯まった土壌を計測。

TERRAで0.41、7317では0.39、254は0.212μSv/hであった。

ベータ線強度は6,139Bq/m2と高い。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万6千カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で 32,500Bq/kgあった。

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18−7 防衛省施設フェンス下草地

柏の葉公園住宅から反対側に向かい、防衛省施設の金網フェンスの下の部分で計測。。

TERRAで0.31、7317では0.29、254は0.187μSv/hであった。

ベータ線強度は2,471Bq/m2であった。

核種判別はCsの合計カウント数で、1万4千カウント/1000秒。

土壌試料は、採取していない。

気になったのはKH-LND7317をベータ線測定状況にして道路側溝の蓋の隙間にかざすと底から数十センチ離れていると思うのに230cpmものカウントを示したことだ。道路側溝の中に相当量のベータ線核種が残存していると思われる。

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18−8 東京大学柏キャンパス図書館前敷地境界草地

TERRAで0.32、7317は0.29、254は0.197μSv/hであった。

ベータ線強度は1,197Bq/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、11,826カウント/1000秒。

土壌試料は採取しなかった。

18−9 東京大学柏キャンパスエントランス植木枡

TERRAで0.81、7317は0.65、254は0.451μSv/hであった。

ベータ線強度は5,,598q/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、34,609カウント/1000秒。

土壌試料は、Cs合計で36,000Bq/kgであった。

池の側のブッシュに入るとTERRAで0.3〜0.9μSv/hとばらついている。

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18−10 柏の葉キャンパス駅東道路歩道植え込み下

明らかに土を掻き出し除染が行われた場所であるが、皐の足下の土壌で計測。TERRAで1.40、7317は1.11、254は0.721μSv/hと高かった。

ベータ線強度は6,583q/m2と高値。

核種判別はCsの合計カウント数で、57,000カウント/1000秒。Co60も検出している。

土壌濃度は、Cs合計で37,500Bq/kgであった。これで除染終了後か?!

18−11 柏の葉キャンパス駅東区画整理造成地土壌

区画整理造成中の裸地で計測。TERRAで0.38、7317は0.33、254は0.238μSv/hであった。

ベータ線強度は2,548q/m2。

核種判別はCsの合計カウント数で、20,000カウント/1000秒。

土壌濃度は、Cs合計で9,130Bq/kgであった。

碧い蜻蛉

  フクシマ・ジェノサイドと呼ばれる全訳)
後世に
公害とは、公の共有物たる天地・海川に毒をまき散らし、万物の命を奪う天下の大罪