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碧い蜻蛉

  フクシマ・ジェノサイドと呼ばれる全訳)
公害とは、公の共有物たる天地・海川に毒をまき散らし、万物の命を奪う天下の大罪

米軍土壌核種調査の解析 Ⅰ

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米軍とエネルギー省による土壌核種調査のデータを並べ直して、各地点ごとの核種濃度が見やすいようにした。さらに、土壌採取日が異なっているために、短寿命核種はそのままでは濃度の比較が不適切であるため、半減期を用いてすべてのデータを3月27日に換算した。ただし、土壌試料採取日を核種濃度計測日と仮定した。

福島県浪江町赤宇木でヨウ素131が18万ベクレル/kg、セシウム合計で約7万ベクレル/kgという値を示している。チェルノブイリで見ればただちに立入禁止処置が行われるべきレベルであった。

セシウム137を横軸に核種濃度との関係をグラフ化した。セシウム137ときれいな直線関係を示したのはセシウム134、セシウム136、バリウム140であった上図①〜③。

 

ヨウ素131

ヨウ素131については、3つの飛散のパターンがあるように見受けられる④。セシウム、ヨウ素比の異なる3回の放射能雲が襲ったことが推定できそうである。拡大して、一部に市町村名を入れる。

図 セシウム137とその他核種濃度との関連性(すべてのグラフでセシウム137濃度を横軸に取っている)

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http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf

2011年4月4日 3 月 28 日と 29 日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告

飯舘村周辺放射能汚染調査チーム 今中哲二(代表) 京都大学原子炉実験所遠藤暁 広島大学大学院工学研究院 静間清 広島大学大学院工学研究院 菅井益郎 国学院大学 小澤祥司 日本大学生物資源科学部

図 今中らによる飯館村サーベイデータから作図した土壌中のセシウム−ヨウ素関係図

ストロンチウム

ストロンチウム(上図⑦⑧⑨)については、セシウムーストロンチウムの関係に二つのパターンが見られる。一つは、勾配は低いけれど、セシウム濃度に比例するパターンと、セシウム濃度の低いところでストロンチウムが縦に分布するパターンである。前者はセシウムの放出時に同時に放出されたもの、後者はセシウムの放出は少なくて、ストロンチウムが放出されたパターンである。ストロンチウム90についてのグラフを拡大し、特徴的なデータに地名を入れてみた。

ストロンチウムを多く含むプルーンが襲った地域に、東北だけでなく、横須賀や御殿場が含まれているのは重要な意味を持っているだろう。これらの方面では、セシウムの300倍の毒性を持ち、体内に取り込まれたら骨に吸収されて半永久的に排出されない核物質に汚染されたことを意味する。骨髄が攻撃されて白血病を起こしたり、娘核種であるイットリウムが膵臓に蓄積して細胞を破壊して糖尿病を引き起こすからだ。いわき市、名取市、あるいは横須賀市、御殿場市などの方面では、セシウム濃度が低くてもストロンチウムが多く沈着していることに注意をはらわければならない。このプルーンは、東京、神奈川を汚染して富士山に到達しているのだろう。

ここでもセシウムの値が低くてもストロンチウムが多く降っている地域があることを警戒しなければならない。

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米軍調査と同時期に京都大学の今中らが飯館村に入って放射能調査を行っている。今中らが飯館村で行った調査データをグラフ化すると、セシウム137とヨウ素131との間におおむね直線性が見られる。これは狭い地域の調査であり、勾配から推定すると米軍調査データの一番下のセシウム-ヨウ素線を形成するプルームに相当する。飯館村を襲ったプルーンと須賀川市、本宮市、二本松市を襲ったプルーンが同じものであることが推定できる。

今回の事故は、国が初期被曝の大規模調査をサボタージュし、なおかつ、研究機関の自主的な調査活動を妨げるという犯罪行為のために、半減期の短いヨウ素131のサーベイデータが非常に少ない。セシウム濃度からヨウ素131濃度を推定する際には、放出されたプルーンごとにヨウ素ーセシウム比の異なっていたという事実を考慮しなければならない。

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北方向

西方向

南方向

表 米軍土壌調査より推算した3月27日時点の核種濃度

セシウムとヨウ素、ストロンチウムの関係