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国道の放射性セシウム汚染

トラックなどの車輪や車体に付着して汚染地から運び出され、全国に拡散する放射能汚染はどれくらいになっているのだろうか。これから少しづつ調査を始めていきたい。土壌採取などで協力していただける方がありましたらご連絡下さい。

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八丁畷

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上牧

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枚方大橋北

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枚方大橋

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国道菊丘

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枚方公園前

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汚染地から持ち出される放射能土壌

放射能は微量でも危険であるので、「汚染を広げない、汚染を封じ込める」ということが科学的常識であった。昔、JR高槻駅でJT(専売公社)の研究員が放射性アイソトープを少しだけ撒いた時には日本中のマスコミが大騒ぎして研究員の行為を問題にした。いま、その何千億倍、何兆倍もの放射能を撒いても大騒ぎもしないどころか、二次汚染の拡大にも知らんふりをしている。どうしてここまでマスコミや官僚たちが劣化してしまったのか。

チェルノブイリの事故の時には、汚染地から出てくる車両はすべて汚染チェックがされ、車輪や車体の除染を行ってからはじめて域外へ出て行くことができるようにされていた。その除染作業員の多くがガンで亡くなっている。汚染地を通ってくる車両汚染は深刻な問題である。

しかし、日本ではまったく野放し。汚染拡大を防ぐという科学的な発想は一毛もなく、汚染拡大して応援、被曝して応援、精神力で放射能をやっつけようという、竹槍でB29を落とせるという戦前・戦中の虚妄とおなじことが進められてきた。

長距離輸送のトラックなどの利用が多い国道沿線は福島原発事故で放出された放射能で汚染している心配がある。

まず、171号(西国街道)で歩道に貯まった土壌を測定してみた。(風乾土壌をベース)

国道171号 高槻市八丁畷交差点東・南側歩道土壌   セシウム合計 10.3Bq/kg

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普段通勤に通っている国道の歩道隅に溜まった土壌に注目していたが、苔混じりの土壌を採取して測定した。試料は320g、ほぼ風乾状態であった。土壌で数ベクレル程度のセシウムを計測する場合に、天然核種のピークが妨害になる。シンメトリックス社のベクレル測定器iFKR-ZIPでは、試料のスペクトルにあわせて、各地の無汚染の土壌スペクトルの中から選択してバックグランドファイルとして用いることによって人工の放射能汚染を浮かび上がらせることが可能である。

この試料では、無汚染が確認できた鹿沼土赤玉土320gのスペクトルをBGファイルとして用い、K40のコンプトン散乱分を消去するためにピーク法で再計算した。

Cs134 2.5、Cs137 7.7 セシウム合計 10.3 Bq/kgであった。

小若順一氏の報告(放射能被害の新事実、NPO食品と暮らしの安全基金)によるチェルノブイリ原発事故から25年たっても頭痛や足痛などの被曝症状が出ている地域のレベルを越える汚染が確認できる。

これが、東京電力福島第一原子力発電所の爆発粉塵が直接飛来したものによるのか、トラフィックによる二次的な汚染によるものかは確認できないが、大阪でも被曝は現実的なものである。   (2014年7月16日計測)

国道171号 高槻市上牧交差点・南側歩道土壌   セシウム合計  7.6Bq/kg

国道170号 枚方大橋北詰・東側歩道土壌   セシウム合計  2.6Bq/kg

国道170号 枚方大橋上・東側歩道土壌   セシウム合計  5.8Bq/kg

国道1号 国道菊丘進入口付近、西行き東南側路側土壌

                        セシウム合計  6.0Bq/kg

枚方公園正面ゲート前・歩道上土壌        セシウム合計  4.1Bq/kg

碧い蜻蛉

  フクシマ・ジェノサイドと呼ばれる全訳)
後世に
公害とは、公の共有物たる天地・海川に毒をまき散らし、万物の命を奪う天下の大罪

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BGは赤玉土スペクトル。

ピーク法で再計算しているが、天然核種の影響を消しきれずに高い値となっている。実際は表示の半分以下ではないか。

粘土やシルト成分の少ない砂質の多い土壌。

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BGは能勢のD地点地下土壌153gのスペクトル。天然核種の影響で数値のバランスは崩れているが、これまでの測定チャートなどから判断して示されているセシウム合計値は妥当だと判断する。

粘土やシルト成分の少ない砂質の多い土壌。

 

能勢D地点の報告

http://aoitombo.s100.xrea.com/nosenoyama.html

BGは無汚染の確認できた赤玉土

天然核種の影響はかなり減らすことができているが、K-40のコンプトン散乱分を消すためにピーク法で再計算。

同じ171号沿いだが、もう少し東側になる。先の八丁畷の土壌より砂質が多く、吸着力が低い印象を与える試料である。数ベクレル/kgレベルで確認できる。まだ天然核種の影響が残り、少し過剰に計算している可能性があるが、数ベクレル程度の汚染は存在するだろう。

BGは能勢のD地点地下土壌153gのスペクトル。ピーク法で再計算した。

植物が根を伸ばしている赤土系の土壌。有機質が多い。

BGは赤玉土のスペクトル。

ピーク法で再計算した。

職員通用ゲート前の歩道植え込み枡の手前の歩道タイル上にたまった土壌を採取。歩道上の粉塵や土砂が雨で流されてたまったもの。

2年前にiFKR-254を抱えて、JRの大回り乗車を利用して関西のいくつかの駅ホームで空間スペクトルを計測し、福島原発爆発の影響を調べた。また、近場の各所に出向いて計測を行って来た。それによって、東京での測定のように明瞭な山にはならないが、関西でも福島原発事故による放射性セシウム汚染のあることを確認してきた。

大阪市内各地、枚方市、高槻市、宇治、京都(京都駅付近)では検出し、奈良盆地に入ると検出されなくなり、法隆寺から生駒山系を越えて八尾に入ると再び検出される。奈良から関西線で東に向かうと、柘植では少ないが検出され、鈴鹿山系を越えて滋賀県の油日に入ると検出されない。琵琶湖近くの農地では不検出、長浜でも空間スペクトルは不検出であった。京都でも園部では不検出であったし、能勢の山の畑も基本的に不検出であった。

こうしたことから大阪湾から入った放射能気団が淀川を遡り、淀、宇治を通りながら京都市内にはいっていること。奈良盆地には西からも北からも侵入しなかったこと、滋賀県も京都から山科盆地をはさむ二つの山脈を越えられることができなくて淀川からの気団が侵入できなかったこと、三重を襲った気団も鈴鹿の山を越えることが無くて大きな汚染を起こさなかったと考えている。大阪でも妙見山系を越えられなくて北部の能勢町には気団が届かなかった、京都も山を越えていかなければならない園部には大きな汚染が起きなかったと考えている。

しかし、滋賀県でも国道1号や8号、名神高速道路の走る付近ではCs134も含めた放射性セシウムのピークを観測した。

こうしたことから交通機関が放射能運搬機関となっている実情をしらべなくてはと歩を進めている。高槻・市民放射能測定所のiFKR-ZIPを無料で使わせてもらえて低い濃度の土壌でも計測できること、測定所の依頼土壌を測定することによってシンチレーション計測器でも土壌の放射能汚染を低いレベルまで計測するめどが立ってきた。

今のところ試料採取を行ったのは大阪に限られているので道路の土壌の汚染が放射能気団からもたらされたものか、交通によるものかは判断できないが、大阪の道路の土壌は数ベクレル/kg(風乾)レベルの汚染を起こしていることは確かであろう。